魅力あふれる町工場や工房、その周辺の町を芸人さんたちが“探検”する、工場見学バラエティー「探検ファクトリー」(NHK)という番組が人気です。
「仕事旅行」には100以上の職場を、ただ見学するだけでなく仕事の一部を体験して学べるリアル版「探検ファクトリー」とも言えそうなプログラムが盛りだくさん。
仕事旅行のラインナップから体験型の工場見学や工房体験ができる、おすすめのプログラムをご紹介します。ものづくりや手仕事に興味がある方必見です。
鍛金職人になる旅
富山県高岡市にあるシマタニ昇龍工房は、職人が手作業で鏧子を製造する、全国でも数えるほどしかない工房です。
4代目の島谷好徳(しまたによしのり)さんは、鏧子を製造する技術を応用し、折り紙のように追ったり曲げたりできる錫の器『すずがみ』を開発しました。
金属でありながらぐにゃぐにゃと形を変えられる不思議な『すずがみ』は大きな話題を呼び、多数のメディアに取り上げられました。テレビや雑誌で見たことがある、という方も多いのではないでしょうか。
この旅では、伝統を受け継ぎながら革新していく好徳さんのお話を伺った後、『すずがみ』の鍛金にも挑戦します。
詳細はコチラ→
職人による伝統工芸のアップデート。開発秘話に触れ「すずがみ」を作る
波佐見焼の生地職人になる旅
波佐見焼(はさみやき)は長崎県の波佐見町付近でつくられる日常使いの陶磁器。400年の伝統を持ち、海外のクリエイターからも評価される新しい「実用の美」を秘めています。
「安く、機能的」な商品を大量に提供すべく、産地では江戸時代から分業の生産体制を作り上げてきました。各工程に熟練した人々が連携して製品を作り上げているのです。
この旅では、波佐見焼の歴史や産地のシステムを学んだのち、器の生地を作る鋳込み職人、通称「生地屋さん」の仕事を体験することができます。
まるでプラモデルを組み立てるような機能的システムに驚くだけでなく、経験に裏打ちされた職人の技を目の当たりにすることができます。「探検ファクトリー」好きにはたまらない旅となるでしょう。
詳細はコチラ:
誰もがプロの○○屋さん!? 400年築いたチームワークで町ぐるみのものづくり
竹刀加工職人になる旅
竹刀は四枚の竹を組合わせて作られます。その過程では竹を削る「はびき」と呼ばれる作業を繰り返し、重さや厚さの調整が必要です。
お客様が求める理想の竹刀を作るためには、完成形をイメージしつつ、現状とのギャップを埋めるための加工方法(削りかた)をその都度しなやかに発想し、竹材の調整をおこなうことが不可欠。
そんな竹刀を40年以上に渡り作り続け、国内のシェアの30%を占めるのがタイヨー産業株式会社。竹刀作りの技術を未来に繋ぐため国産の真竹を使用し、一本の竹から手作業で竹刀を作ることにも力を入れています。
この旅では、竹刀づくりの基本となる「はびき」を体験していただきます。自分が削ったことで、竹刀の重さやバランス、太さがどのように変化したのかを把握することが、理想の竹刀を作るための第一歩です。
詳細はコチラ:
剣道家の感覚に想いを馳せながら、竹と向き合い、理想の竹刀を創造する。
刃物職人になる旅
刃物のまち、新潟県三条市。三条鍛冶は、江戸時代中期、寛永2(1625)年から3年間代官所奉行を務めた大谷清兵衛が河川の氾濫で稲作が思うように進まない農民のために和釘の製造を始めたことから発展したといわれています。
400年近くの歴史の中で、和釘から農機具、包丁へと商品のかたちを変えながら、技術とものづくりにこだわる三条鍛冶の精神は脈々と受け継がれてきました。
この旅では三条市で刈込み鋏や剪定鋏、ナタなどを製造する五十嵐刃物工業を訪れます。五十嵐刃物工業は鋼や鉄の仕入れから梱包まで行う一貫生産体制を取っており、ユーザーの要望に合わせて材料や鋼の硬さを柔軟に変えることができます。
そんな職人の技を直近で見学し、自身で鋏の刃の隙間を調整、刃物のメンテナンスができる体験プランをご用意しました。長く続ける仕事の極意とは? 長持ちする刃物にも共通する仕事のヒントも学びます。
詳細はコチラ:
刃物も仕事もメンテナンスが必要。職人に聞く長く続ける仕事の極意
西陣織職人になる旅
京都の風情を色濃く残す小道。石畳の道を進んだところにあるのが、1906年創業の渡文株式会社です。
渡文が主に製作しているのは、西陣織の着物の帯。機械織りが主流になる中、渡文の帯はほとんどを昔ながらの手織り。
値段が高くはなりますが、緻密で複雑な文様は、機械には織ることができないものです。また「軽く・柔らかい」帯になるため、とても扱いやすく、自身で着付けをする着物愛好家の方から強い支持を得ています。
この仕事旅行では、西陣織職人の繊細な感性に触れながら、簡単な図案作成や管巻きと呼ばれる工程を見学した後、西陣織の手織りも体験いただきます。
詳細はコチラ:
今も変わらぬ手織り仕事。古き良き西陣織の世界へ
金工アーティストになる旅
日本の伝統産業と、それを担う職人の暮らしに興味がある。そんな方にご紹介したいのが、富山県高岡市へ移住して銅器産業に携わる尾崎迅さんの工房です。
400年の歴史を持つ高岡銅器は分業制で、原型製作・鋳造・研磨・着色・彫金と工程ごとに職人が分かれています。尾崎さんは研磨職人として働く傍ら、金工アーティストとして自身の作品を制作する活動を行なっています。
この旅では、尾崎さんのアトリエ「uwaya」やギャラリーショップ「かんか」を訪問。仕事風景を見学し研磨の作業を体験させてもらいながら、尾崎さんが職人になるまでのユニークな経緯についてもお話を伺います。
詳細はコチラ:
「職人」と「アーティスト」ふたつの働き方を強みに。高岡のアトリエで伝統の銅器産業にふれる
金属の黒染め職人になる旅
新潟県のほぼ中央「燕三条」は古くから、多様な金属加工技術を持つ中小企業や名工がそろうことで知られる地域です。このエリアで、『黒染めといえばココ!』と言われているのが株式会社テーエムです。
黒染めとは、主に鉄や鋼製品に施す加工処理で、錆止め、デザイン性の向上、光反射防止といった目的のために行われます。身近なところでは、大工道具のかんなの刃や鉄製の生け花ばさみの黒い色が、この加工によるもの。使い込むほどに風合いが変わってくるところも、黒染めの特長であり魅力です。
歴史ある工場を見学しながら、見たこともない設備に触れられるのは、まさに「探検ファクトリー」。
この旅では、株式会社テーエムの工場を見学するだけでなく、参加者のみなさんにも動物型の小さな鉄の置物の黒染めに挑戦していただきます。美しく染め上げるためには、染色液の濃度、温度、染色時間のバランスが重要。その見極めはまさに職人技と言えるでしょう。
3代目代表の渡辺竜海さんが後を継ぐまでのキャリアストーリーや新商品開発のお話もじっくりうかがえます。
詳細はコチラ:
黒染めを世界に!時間をかけて、やる気と誇りと夢を手に入れた、町工場の3代目に出会う
金属加工職人になる旅
新潟県・燕三条で半世紀以上に渡って金属プレス加工業を営んできた野崎製作所。プレス加工とはその名の通り、プレス機に金型をセットして金属板を押し当てることで、立体的な形をつくる技法です。
野崎製作所はこれらの技術を活かして農業機械や建築資材のパーツをメインに手がけ、製品クオリティの高さから支持を受けてきました。
製品を形づくるパーツは、一つひとつがオーダーメイド。平面の金属板を立体にするためのアイデアを考え、図面を描き、金型をつくり、加工するという工程を経てようやく完成します。フラットな板を立体物にする技法は様々で、「設計」は職人の腕の見せ所です。
この旅では参加者が作ってみたい「金属の立体物」を具現化させるための設計案を熟練職人と一緒に考えます。実際に小型プレス機を使って、イメージした製品の一部を形にすることもできます。体験ではなく工場見学とレクチャーがメインの3時間コースも。
野崎製作所も同じ燕三条にあるテーエムに劣らず「探検ファクトリー」感満点。スケジュールがあれば、両方巡ってみるのもありかもしれません。
詳細はコチラ(3時間コース):
半世紀を超えて仕事を続けるプレス加工所で、ものづくりの魅力に触れる
詳細はコチラ(5時間コース):
ものづくりマニア必見!熟練職人とじっくり設計&加工を堪能する
商品プロデューサーになる旅
永塚製作所は大正時代から火挟みや火起こし、灰掻きなどを製造してきた町工場。近年は、全国各地の清掃活動で使われるゴミ拾い専用のトング「MAGIP(マジップ)」を開発しました。
代表の能勢直征さん自らが海岸の清掃活動(ビーチクリーン)にも勤しみ、小学生から大人まで多くの人に環境問題の深刻さを伝えています。
この旅は工場見学・職業体験というよりも、能勢さんによる環境保全活動のレクチャーがメイン。ゴミ拾い専用のトング「MAGIP(マジップ)」の開発秘話を存分に聞いてみましょう。
詳細はコチラ:
楽しみながら小さく続ける!10年以上ゴミ拾いを続ける社長に環境問題の課題と長く活動を続ける秘訣を聞く
「探検ファクトリー」気分満喫できそうな仕事旅行をセレクトしてみました。番組と違うのは、リアルな体験を伴う、弊社のおすすめ工場見学であること。そして、参加するのは「みなさん」ということ。ぜひ一度足を運んでみてください。
記事:仕事旅行社
メルマガ登録いただくといち早く更新情報をお伝えします。
メルマガも読む
LINE@はじめました!