2022年03月17日更新

胸の中まで熱くなる。旅行家の言葉と生き様に学んだことー編集職人による仕事旅行レビューvol.4

仕事旅行づくりを手伝ってくれている編集職人の皆さんが、みずから仕事旅行を体験。そこで学んだこと、感じたことを自分の言葉で直球レビューします。第4回は「旅行家になる旅」

学校では学べないことが旅にはたくさん詰まっている


私にとってずっと気になる存在だった「旅行家」という職業。この記事では、旅行家の藤原かんいちさんによる「旅行家になる旅」で感じたこと、得たことを振り返ってみたいと思います。

藤原さんの存在をはじめて知ったとき、不思議と興味が湧き、どんな人生を歩んで来られたのか、純粋に話を聞いてみたい。何か自分の学びにつながることがあるのではないか? そんな想いからこの旅に参加しました。

藤原さんは、1984年にバイクで日本一周の旅に出たのをきっかけに、その後もバイクで単独世界一周や夫婦でバイク日本、世界一周の旅など、現在に至るまで様々なユニークな旅をされている方です。

大工の親方の父を持つ藤原さん。そんな影響もあって建築関係の高校を卒業後、デザインの専門学校へ進み、そのまま一旦はデザイン事務所に就職します。

けれども中学生のときに読んだ漫画『サイクル野郎』(中学生が自転車で日本一周する物語)が忘れられず、1年で会社を退職、バイクで日本一周の旅に出ることになります。

旅先で出会ったのは、たくさんの面白い生き方をしている人たち。

そんな人たちと関わる中で藤原さんが感じたことは、いろんな生き方があっていいし、生き方の選択肢は決して一つでないということでした。

いい学校に入り、いい会社に就職し、いい給料をもらって、何歳くらいで結婚して、家を持ってというような世間が考える「幸せの基準」に疑問をいだくようになります。

「本当はもっといろいろな幸せもあるんじゃないか、だったらもっと本当に自分がやりたいことをやりたい」

そんな風に考え方も変化していったそうです。

この旅では、旅を通した藤原さんの人生観が学べると同時に、自分の人生を生きる上で大切なことや、自分のやりたいことに対しての考え方、向き合い方など、様々な気づきが得られました。


藤原かんいちさん提供。冒頭写真も

やりたいことをやらないで生きていて本当に幸せと思えるだろうか?


藤原さん自身、自分は決して特別な人間ではないと語ります。

むしろ、世の中には自分より才能がある人、仕事が出来る人などは無数にいて、社会から見たら自分は『何の才能もない、大したことない人間なんだ』。

若い頃はそんな劣等感を感じていたと言います。

それでも「自分にも人にはできない何かがあるんじゃないか」「まだそれが発揮されていないだけなんじゃないか」。そんな想いを内に秘めていたと当時を振り返りました。

当時、旅に出ることに対して周りの大人たちの反応は厳しいものだったといいます。

「そんなことして何になるの?」
「夢なんてみんな諦めているんだよ」
「やめておいた方がいい。社会に復帰できなくなるよ」

それでも、藤原さんの心がひっくり返らなかったのは、その人たちが体験したことを言われているわけではなかったから。

人の意見なんてすぐに変わるし、それに合わせていたら一生自分が定まらない。信じられるのは人の意見ではなく、自分で体験して感じたことだけ。それは自分だけが知っている「唯一嘘がないこと」だと語ります。

「誰かに言われたことではなく、やりたいことが明確にあるから。ただそれを実現するだけだった。とにかく自分の想いを叶えたかった。自分が感じたことを周りに惑わされずにやるしかない。不安は常に自分につきまとうもの。それでもシンプルにやりたいことを本気でやるかやらないか、ただそれだけなんだ」

そんな言葉を熱く語ってくれました。

自分を満足させられない人が相手を満足させることはできない


藤原さんにとって初めてとなった海外のバイク旅はオーストラリアでした。

日本にはない360度の地平線を走るために道なき道を進み続けます。悪路のナラボー平原横断ルートに入って4日目、ついに自分が思い描いていた360度の地平線が目の前に広がります。

「おれが走りたかった道はここだ!」とその瞬間、涙がとまらなかったそう。そこで見た景色よりも、何よりここまで来られた自分に感動したといいます。

その瞬間、藤原さんの中で新たな扉が開き世界が変わった感覚を得たそうです。

周りからの反対意見を押し切り、諦めることなく自分の想いに素直に従うことで、ここまで来られた。そのことで心から自由を感じ、きっと自分は何でもできるという確信に変わったそうです。

当時の旅を振り返りながら藤原さんはこう語ります。

「自分は今大人になって、ちゃんとあのときの自分に答えられる自分になれたことが一番嬉しい」
「人と違う生き方をしている自分だからこそ、今になって誰かに伝えられることがある」

藤原さんが旅を通して大切にされてきたこと。それは「自分をちゃんと創っていく」ということでした。

「こんな俺でもできたんだから、本当は誰だってできるんだよ」「できないと決めつけないで、きっと可能性は誰にでも絶対あるから」「でも、それを決めるのも自分なんだよ」

そんな藤原さんの言葉にふれるうちに、私の胸の中まで熱くなって来るようでした。

旅を通して藤原さんの中に芽生えた自由という感情。普段、私たちは自分の中に壁をつくり、様々な概念を勝手に作り出し、自分で身動きがとれないようにしているのかもしれません。

この旅を通して藤原さんから学んだこと。それは、自由な心を持つことでいろいろな視点で世界を見ることができるようになること。

そして、今自分が置かれている状況に対しても、どう捉えてどう考えるか、そしてどんな選択を自分自身が下していくのか、それによってその先の自分の未来はきっと変えることができる。

私にとって、そんな大切な気づきを得ることができた旅になりました。

レビュアー:荒井秀之(編集職人)

旅行情報:【お一人様限定】旅行家と語らう。旅、夢、仕事について

【この連載のバックナンバー】

★一緒にご飯を食べたい人を採用する。食業プロデューサーの仕事論に学んだことー編集職人による仕事旅行レビューvol.1
★会社以外の居場所を持つ。焦らず気長に時期を待つ。秩父銘仙の仕事旅行で学んだことー編集職人による仕事旅行レビューvol.2
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連載もの: 2022年03月17日更新

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