インターンの島田です。みなさん、「複業家」って、聞いたことありましたか?「“副業”じゃないの?」と思ってしまった私ですが、調べてみると「副業」と「複業」はその目的やメリットも異なるそうです。
先日開催されました、中村龍太さんの「複業家に出会う散歩」の様子を取材してきました!
“複業家”・・・って、どんな働き方?
龍太さんの仕事散歩に参加する前に、「複業」についてちょっと下調べ。ネットで検索してみたところ、一般的に「副業」とは本業をこなしつつ、空いた時間に副収入を得るという本業の“サブの仕事”との位置づけ。
いっぽう
「複業」は、どちらが本業と決めずに複数の仕事をこなすことで、業務横断による相乗効果やリスク分散などの効果が得られるとされているようです。
複業での収入が専業時代の収入を下回ることもあるといいますから、
複業は必ずしも収益だけを目的とした働き方ではないようです。
最近では「パラレルワーク」という言葉が流行っていますが、これも複業とほぼ同じ概念と考えてよいでしょう。
今回訪ねる龍太さんは、言うなれば”複業の鉄人”。日本マイクロソフト株式会社を退職し、2013年よりサイボウズ株式会社と株式会社ダンクソフトに同時転職しました。現在はNKアグリという和歌山の農業会社で提携社員としても働き、畑仕事までこなしているそう。まさに複数の生業(なりわい)を持つ「複業家」です。
今回の仕事散歩には複業をすでに実践している人、今後の複業を考えている人などが参加しました。
「いつでも質問してください、みなさんの役に立ちたいから」と龍太さん。ご自身が複業を始めるに至った理由やその実態、実践して感じるメリットについてと、やわらかい雰囲気でお話くださいました。
サイボウズとダンクソフトに同時入社
龍太さんは以前の職場マイクロソフトで、同社のキャリアコンサルティングと共に自身の将来像を考える機会があったそうです。その際に自分がそれまでやってきた仕事、今後やりたい仕事などを書き出していくと、未来の自己ビジョンがクリアになってきたといいます。
マイクロソフトで忙しくも安定した収入を得ながら働いていた龍太さんですが、数年後に転職しようと計画を立てたその頃、知人の紹介でサイボウズの社長と会うことになりました。
せっかくだからと会ってみたところ、ひとつの組織に捉われないフレキシブルな働き方に対する考え方が一致し、誘われるままにサイボウズへ入社すると同時に、地方にあるサテライトオフィスの社員が副業を実践しているダンクソフトという働き方のベンチャー企業にも契約社員として入社しました。
龍太さんは現在、サイボウズで正社員として週4日、ダンクソフトで契約社員(業務委託)として週1日働き、時期によって土日を農業にあてているそうです。
しかもサイボウズでは社長室で社長と席を並べて働きながら、ダンクソフトの資料を作成していることもあるというのだから驚きです! 「今日はこっちの仕事」と割り振るのではなく、どこにいてもその場に応じて複数の仕事を横断的にこなすのが龍太さん流。
「ダンクソフトにいても、サイボウズからのメールがあればその時間はサイボウズの社員として働きます」
自分をさらすことで、やりたいことが仕事に
そんなスーパー・フレキシブルな働き方をどう実現しているのか……聞きたいことがむくむく湧いてきます。参加者からも「実際に複業する際のプロセスは?」「経理はどうされているんですか?」などなど、具体的な質問が多くあがりました。
参加者の方からは、「複業やパラレルワークの魅力や理想論を書いた本や記事は多いけれど、現場のハウツーを細かく教えてくれるものはほとんどないため、気になっていたことが具体的に聞けて良かったです」という感想も出ていました。
龍太さんのお話の中で、私にとって特に響いたのが次の言葉です。
「“会社人として”ではなく、“社会人として”やれることを考えるのが大切です。自分がやりたいこと、できること、そして相手がやってほしいことを考えてみましょう。3つが重なるところを仕事にできると、みんながハッピーです。」
これが龍太さんが発した、3つの円の「ハッピーセット」。「①やりたいこと」「②できること」「③求められること」、この3つの円が重なるところに、その人にとっての幸せな仕事があるということです。
「最初に自分のことをさらけだせれば、自然とやりたいことが仕事になっていきますよ」
「働いてから死ぬまでひとつの会社の人しか知らないのは不自然な生き方なのでは? 人は“複数の顔”を持っているのが自然だと思います」(龍太さん)。
この言葉も印象に残りました。
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