2017年12月06日更新

ワークライフスタイリスト・細野さとみさんに聞く。どうすれば”自由な働き方”を選べますか?

場所や時間にとらわれず自由な働き方をしている、いわゆる「ノマドワーカー」や「フリーランス」。企業でもフレックスタイム制を導入していたり、自宅勤務を許可していたりと、フレキシブルな働き方を取り入れているところが増えています。

IT技術の進化などにより働き方が多様化していく中で、そういった”自由な働き方”ができる時代になってきました。また、「週末起業」や「1円起業」といった言葉もあるように、「起業」のイメージも変わってきているように思います。

とはいえ、「仕事とはツラく厳しく不自由なもの」というイメージはまだまだ強く、自由な働き方に憧れたとしても、「どうすればそれができるの?」を教えてくれる人もそれほど多くはありません。

そのヒントを探すべく、ワークライフスタイリストの細野さとみさんに話を伺いました。聞きなれない職業ですが、どんな仕事なんでしょう?

細野さとみさんのプロフィール

派遣OLからノンキャリアで起業し、起業4ヶ月で法人化して代表取締役になる。パーソナルメンタルコーチとして1年間で50人以上のセルフイメージをアップさせ、自分らしい生き方に導く。2016年、『可愛いままで年収1000万円』著者である宮本佳実さんによるワークライフスタイリスト養成講座を受講し、ワークライフスタイリストのディプロマを取得。現在は起業塾やワークライフスタイリストの認定講師として活躍中。2018年2月からは、中京テレビが手掛ける女性による女性のためのアカデミー「DEAR DEA」3期の講師も務める。自分らしく自由に働くことを体現し、発信している。

ブログ:元派遣OL 好き×才能を活かして自分だけの理想の働き方を叶える♡ワークライフスタイリスト認定講師/Mystyle起業塾講師 細野さとみ

間近で見ていた自由な生き方


--細野さんは会社や社会常識に縛られない自由な働き方をされているように思えるのですが、OLを辞めて起業しようと思ったきっかけは?

細野さとみさん(以下、細野):最初から起業したかった訳ではないんです。会社勤めをする中で、「もっと自分にできることがあるんじゃないか」とか「もっと深く個人と関われる仕事がしたい」とか色々思っていて、そういう仕事に転職したいと。

当時は20代後半だったのですが、住んでいたシェアハウスの影響も大きかったです。そこにいた30代や40代の人たちがすごく自由に生きていたんです。

企業から独立したり、突然転職したりかと思えば海外に行っちゃったり。企業に勤めながら趣味のお菓子づくりやモノづくりを極めている子などいろんな生き方をしている人がいたんですけど、みんな自由に好きなことをやっていて、その姿がとてもイキイキしていていいなと思っていました。

周りにいた人たちは企業に勤めていた方が多かったですが、「ひとつの会社に長く勤めたい」とか、「年齢がいくつだからこんな役職に」といった物差しで働き方や生き方を選ぶのではなく、「自分がしたいから」という基準で生きている人たちが周りにいました。

そういう人たちを間近で見て話を聞くうちに、年齢を重ねるにつれ出来ることも増え、深みも出てくるんじゃないかと思い始めたんですね。若いときに人生決まってしまうのではなく、「自分の可能性」って年とともに広がっていくんだということに気づきました。

一方で、高校時代の同級生と話しているとそことのギャップがすごくて。「転職も結婚も30歳までにしないと、女としての市場価値ってどんどん下がっていくよね」というような話ばかりなんです。年を重ねるほど自分の可能性は狭くなっていくと思っているみたいで、それがなんだか悲しくて。

「歳を重ねるのって楽しくない?」って言ってみたこともあるんですけどね。でも全然響かなくて(笑)。「そういう風に考えられたらいいけどね」みたいなリアクションでした。で、私の考え方は理想論に聞こえてしまうんだなと。

--「現実と理想のギャップ」なんてよく言いますけど、細野さんは多くの人にとって「理想」と思うような働き方を先取りしている人たちを「現実」に見ていたんですね。

細野:大事ですよね、周囲にどんな人がいるか? というのは。私は楽しく歳を重ねて自由に生きている人たちが周りにいたから、世の中にはそういう生き方もあって、充実した日々を過ごせるし、そうなるための方法もあることを知っていた。

でも、同級生の周りにはそういう人たちがいないし、知らないから、信じることもできなかったんです。

同級生のそういった心情を知って、「じゃあ、私が体現すればいいのか」と思ったんです。私自身が周りの人にとって知るきっかけになればいいと。まず私が、自分らしく自由に働くことを体現できたら、みんなにも理想論ではなく、説得力を持って言えます。

もちろん、周りの人が自由な生き方を選ぶか選ばないかは、それこそその人の”自由”なわけですけど、「知っていて選ばない」のと「知らなくて選べない」のとでは全然違いますからね。

知った上でどっちにするか決めるのが理想なんですけど、いまの社会には選択肢を知らないままに諦めている人も多い。そういう人を手助けできたらいいなと。あれこれ考えるうちにふと、「それが仕事になるんじゃないか?」と思い立って起業することにしたんです。


--とはいえ、「ワークライフスタイリスト」としてのキャリアを確立されるまでには、すんなりいかないこともあったのでは? 他人の人生に影響を及ぼす仕事ですからプレッシャーもすごいのでは? と思うのですが。 

細野:そうですね。シェアハウスの人たちと交流しながらも、私は「自分が幸せじゃないと人のことを幸せにすることはできない」とずっと思っていたんです。「自分の身をいかに削って組織に尽くすか?」という働き方が主流の社会で、私のこの思いは「たんなるワガママなのかな?」という迷いも生じていました。

そんなとき手にしたのが宮本佳実さんの本。ワークライフスタイリストとして活躍されている方ですが、宮本さんの本を読んで「自分が幸せになることによって周りも幸せにする」働き方をしている人がいると知り勇気づけられました。で、この仕事なら、私の理想とする働き方を現実のものとして共有することができるんじゃないか? と。

経験者から学ぶ


--「求めるからこそ出会える」というのもあるのかもしれません。宮本さんのワークライフスタイリスト養成講座にも通われたそうですが。

細野:宮本佳実さんの生き方や働き方がすごくいいなと思ったわけですから、その人から直接話を聞くことが大事なんじゃないかと。佳実さんは、もともと私が伝えたいと思っていたのと近いことを、キチンと言語化して発信されてましたから、彼女の言葉を共有できたら、私が伝えたいことも、もっと多くの人に届けられるんじゃないかと考えたんです。

養成講座だけでなく、経営塾にも入りました。経営だって実際にやったこともなければ知識もないわけですから。手探りで何かやるよりも、すでに経験している人から学んだほうがいいんじゃないかと思いセミナーに参加したり。成功している人たちが最初何をしていたのか? どんなことを考えて、今そこにいるのか? ということがリアルにわかったのがよかったです。



--お話をうかがっていると、”自由な働き方”はいろんなことを感じたり迷ったりしながらも、自分から動かないと実現できないのだと気付かされます。自由な働き方を選択して一番良かったことは何ですか?

細野:良かったと思うことしかないです。大きく変わったのは、出会う人が変わったこと。経営塾の仲間だったり、会社員として働いていたら出会えなかったような働き方をしている人たちと出会える機会が増えました。みなさん自分らしく生きていて、そういう人の話を聞くのが大好きなので、すごく面白い。

あとは、私はオシャレな場所が好きなので、オシャレな場所を自由に選んで働けるのがすごく幸せだなと思います。

それから、ダイレクトに人の役にたっていると実感できること。会社にいたころは、きっと誰かの役に立っているとは思っていたけれど、それをあまり感じることができなかった。今はそれがダイレクトに感じられるし、目に見えるし、それに力を注げているということがとにかく楽しいんですね。



--さとみさんのような働き方をする人は、今後増えていくと思いますか?

細野:選択肢のひとつとして広がっていくと思います。今はまだ、起業はハードルの高いもので、「会社員か起業か?」みたいな選択を迫られるところがある気もするのですが、私はそういった壁はどんどんなくなっていくんじゃないかなと思っていて、今後は「会社員であり起業もしている」人が増えるんじゃないでしょうか。1人でいくつもの仕事を持つ働き方が、もっと普通になるんじゃないかと思っています。

--今日はありがとうございました。最後に教えてください。さとみさんが思う「ワークライフスタイリスト」をひと言で言うと?

細野:「可能性を見せる人・広げる人」かな? さっきお話したように、人にはいろんな可能性があるけれど、大人になるにつれて「自分はこれくらい」と決めつけて生きている人ってホント多いんです。でも心の底では、自分の可能性はまだまだ広げられると思っている人もいっぱいいるはず。そういう人たちに、「こんな風にもなれるよ」というヒントを教えられるのがワークライフスタイリストなのかなと思います。

聞き手・構成:島田萌子

※この記事は仕事旅行社による「編集職人募集プロジェクト」 のトライアルとして作成されたものです。
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