2016年05月27日更新

スキマな仕事からチラ見する摩訶不思議なこの世界vol.2—「鷹匠」の巻

「タカを飼いたい」「飼って自分の肩に乗せてみたい」。

そんな思いを抱いたことがある人もいるのでは? わたしはあります。
なにせ時速130キロ出せるタカもいます。カッコいいじゃありませんか。

たまにテレビで見かけるあこがれのタカ使い。その名も「鷹匠(たかじょう)」。
テレビではショーでタカを飛ばして、観客を楽しませている姿が映し出されることが多いですね。

しかし、彼らのお仕事は、それだけではありません。
実は鷹匠は意外なところでも活躍しています。

記事:守屋佳奈子(シゴトゴト編集部)
絵:ききめいこ

鷹匠、3000年の歴史


鷹匠とは、タカを訓練し、扱うことが出来る人のことを指します。タカを使って狩りをする「鷹狩」が栄えたことから、鷹匠が生まれました。

なんとその起源は、紀元前1000年代

鷹狩は今から約3000年も前、日本史の始まる以前から、中国やインドなどで盛んに行われていたそうです。日本では江戸時代にもっとも盛んになり、鷹匠は天皇家や徳川家、大名に仕えてタカを調教し、狩りに同行していました。

現在、日本の鷹匠になるための法的な資格はありません。しかし、「日本鷹匠協会」や「日本放鷹協会」などの団体では、個別に鷹匠認定を出すこともあるようです。鷹匠として認められるためには、試験をパスしなければなりません。

「狩り」と同時に「守り」もやります。現代の鷹匠の仕事



鷹狩から生まれた鷹匠。いまとなっては鷹狩もほとんど行われず、試験を経て鷹匠になっても、それほど仕事が多いようには思えません。

では現代の鷹匠は、いったい何で生計を立てているのでしょうか。

鷹匠の仕事その1:ショー、イベントに出演

これは言わずもがなかもしれません。みなさんが鷹匠の方をテレビで見かけるときも、ショーかイベントを行っているときが多いのではないでしょうか。

以下のサイト「i北陸」でもそういったイベントが紹介されています。


「金沢城公園 鷹匠による鷹狩 放鷹術の実演イベント2016 」/「i北陸」より)


「金沢城公園 鷹匠による鷹狩 放鷹術の実演イベント2016 」/「i北陸」より)

タカは鳥の中でも高速で飛び、その姿も力強く優美です。そのような外見としてのタカの魅力を活かして、観客を楽しませています。

鷹匠のイベントその2:有害鳥駆除

しかし、ショーやイベントだけが鷹匠の仕事ではありません。

タカを使ったお仕事であまり知られていないのがこの有害鳥駆除。タカでの有害鳥駆除を専門にした会社がいくつもあるほど。


「株式会社鷹匠」のウェブサイトを見ると、以下のように書いてありました。

「当社では鷹での鳩駆除、カラス駆除、ムクドリ駆除などの害鳥対策を行っております。過去、対策として目玉型バルーンやネットなど、さまざまな対策を試してはみたものの効果が長く続かず、諦めている方も多いのではないでしょうか。

鷹は鳥類の食物連鎖の頂点に位置し、鳩・カラス・ムクドリなどの害鳥にとっては最も恐れる存在です。

その鷹を鷹匠が訓練し、対象となる害鳥の居るところで頻繁に飛ばすことにより、害鳥に対し生命の危機感を与えて戻って来ない環境をつくります。本物の鷹が飛び回るので効果は絶大です。」(引用元:株式会社鷹匠

タカによる害鳥駆除は、空港やマンションまで意外と幅広くおこなわれているということです。
金沢駅でもタカによる鳥獣駆除が行われているそうですよ。

「鷹匠」のウェブサイトではオオタカやハヤブサなど、同社に所属する3匹の猛禽類がまるでスタッフのように紹介されていました。ハヤブサは「空港や発電所での害鳥駆除を得意とする」など、それぞれに得意分野があるようです。

「鷹匠ブログ」というコーナーでは、鷹匠たちがどのような思いで仕事に取り組んでいるかを知ることもできます。

「狩る(攻撃する)」だけでなく人間の暮らしを「守る」こともできるタカ。タカをはじめとする猛禽類といえば、素早く獲物をしとめる獰猛な動物というイメージもありますが、そうやって大昔から人と協力して仕事をしてきた、そんなところもカッコいいと思います。
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