焼き物のルーツをたどる
髙島さんの工房で目に飛びこんでくるのがカラフルな器の数々!焼き物のイメージががらりと変わってしまうような色彩は
「交趾(こうち)」と呼ばれる中国発祥の焼き物の特徴です。洸春窯は、この交趾を専門とする数少ない工房のひとつ。
良質な材料がとれることで自然と焼き物の産地になった地域が多いなか、京都は
”需要”をベースに焼き物文化が発展していったという珍しいルーツを持っています。工房ではそんな焼き物の歴史を教わりながら、ひとつの器ができるまでの流れを、わかりやすい解説と実演をまじえて目の前で学ぶことができます。
同じ手の動きを正確に繰り返せることが、職人仕事の最も重要な要素。そのことを意識しながら、髙島さんの手や目線に注目してみてください。世代を越えて培われてきた職人技のすごさを、いっそう強く感じられるはず。
京焼の伝統技術を体験!
焼き物のルーツを感じた後は、実際に自分の手を動かしてみます。
今回の体験は、陶芸における伝統的な技法
「染付」と、髙島さんの窯で特に力を入れている技法
「交趾」のスペシャルな2本立て!
染付は、素焼きした器にデザインを施す工程。自分ならどんな器が欲しいか?を軸にして、自由にデザインを考えてみましょう。髙島さんの発想法もヒントになるはず。器へ筆入れするときの緊張感も仕事の醍醐味です。
交趾は、ひときわ鮮やかな色味を出すことのできる色付けの技術。2種類の絵の具を、器の模様をなぞるように乗せていきます。とても細かな作業ですが、絵の具がはみ出たり重なったりしてもだいじょうぶ。焼き上がると色が混ざって手作り独特の味が出るそうです。
体験でデザインした器は髙島さんの手で焼き上げられ、後日おみやげとしてプレゼント。どんなふうに仕上がるかわくわくです!
守りたいものを継ぐという生き方
大学時代は理工学部で生物化学を専攻していた髙島さん。ものづくりがしたい思いでメーカーへの入社を希望し、研究職へ。その後、新設されたプロダクトマネジメント部門に起用されます。
超多忙な日々を送る中で、あるとき
「この先の人生どう生きていくんだろう?」と、10年後が見えない不透明な現状に疑問を抱きます。自分の仕事や生き方を見つめなおしたときに浮かんだのが、工房で仕事をする祖父と父の姿でした。
「家の仕事は捨てられない」という気持ちのままに、工房を継ぐことを決めた髙島さん。
こつこつと器を作る陶芸家の仕事は決して楽なものではないけれど、ものをつくることが好きだからこそ続けられると言います。仕事にかける思いや苦悩など、ぜひ胸の内を聴いてみてください。
体験スケジュールおよび内容
時間 | 行程 | 体験内容 |
13:00 | 洸春窯 到着 | |
| オリエンテーション | 1)ごあいさつ
・参加者の自己紹介
(お名前、お仕事、参加の目的等)
・髙島さんの自己紹介
2)本日のスケジュールについて
3)仕事の基礎知識
・京焼とは?
・髙島さんの作品紹介 |
13:30 | 仕事の見学 | 1)作品作りの見学
・仕事の流れを説明
・特徴的な工程の実演 |
15:00 | 疑似体験 | 1)色付け・装飾技法の説明
2)装飾する陶器について
3)装飾に挑戦
*釉薬掛け&焼上げは後日髙島さんが行います。 |
16:30 | 旅のまとめ | 1)装飾の評価
2)感想の共有&質疑応答 |
17:00 | 仕事旅行終了! | |
仕事旅行で出来ること
・京焼を知る!
ひとくちに焼き物と言っても、産地も特徴もルーツもさまざま。まずは京焼にまつわる歴史と背景を学んで、焼き物文化に迫ってみましょう。知れば知るほどに奥深い世界です。
・制作工程を学ぶ!
どんな工程を経てひとつの器ができあがるのかを、職人の解説と実演で学ぶことができる贅沢な時間。目の前で見るプロの技術に圧倒されること間違いなし!工房のなかにあふれる、ふだんはなかなかお目にかかれない仕事道具にも注目。気になる道具を見つけたらどんどん質問してみましょう。
・京焼制作を実際に体験!
今回は素焼きした器にデザインを施す「染付」と、鮮やかな色味を出すための「交趾」にチャレンジします。
デザインの発想は自由であればあるほど◎。繊細な工程ならではの緊張感もぜひ楽しんで!
・ここだけの話を聞く!
京焼職人になるには?仕事のおもしろさは?苦労は?どの工程が好き?などなど、気になったことはなんでも髙島さんに尋ねてみましょう。職人の仕事観や人生観を直接聴くことのできる機会はとても貴重ですよ。
・友人になる!
旅の友人は一生の友人。最後に連絡先を交換して、仕事旅行終了!
この旅をきっかけに素敵なつながりが生まれますように!