2020年11月18日更新

「やりたくない仕事はやれない人」になってしまった富永喜三さんが味噌商を継いだ理由ー森まゆみの「谷根千ずっとあるお店」vol.23

作家の森まゆみさんによる連載。『地域雑誌 谷中・根津・千駄木』を1984年に創刊、「谷根千(やねせん)」という言葉を世に広めた人としても知られる森さんが、雑誌創刊以前からこの町に”ずーっとあるお店”にふらりと立ち寄っては店主にインタビュー。今回は根津観音通りの奥に佇む「味噌商 秋田屋」へ(編集部)
 
根津観音通りの奥のほう、右手のガラス戸に、綺麗な明るい茶色い布の暖簾が揺れている。この店に気がついたのはもう20年ほど前なのだが、やっているんだかいないんだか、「店ですよう」と自己主張する佇まいではなく、ひっそりした感じなのである。そのときには、ここで「しょっつる」という発酵した魚醤を買った。
この前、またふらりと店を覗いたら、おいしそうなお味噌があった。それを買って帰ると、本当においしかった。

祖父はお店を親父に任せて、自分はまた別の...

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