2020年04月29日更新

「コロナ時代・働き方はこう変わる」を予測する系の記事をいくつか読んで考えたこと

パンデミック下の混沌とした世界の情勢を受け、日本人のはたらき方も「変わらざるをえないのでは?」という空気が生まれています。

でも、実際はどう変わるのか? "Stay Home"終了後もその変化は続くのか? 鵜呑みにするのはどうかと思いますが、多少は情報を仕入れておく必要はあるかもしれません。

そこで日々大量にリリースされている「コロナ時代・働き方はこう変わる」を予測する記事の中から読み応え・見ごたえのあるものを"仕事旅行目線"でピックアップしてみました。(シゴトゴト編集部)

あのバンクシーでさえ在宅?


「3密を避ける」の合言葉に続けて、次には"Stay Home"がやかましく言われるようになった。いつまで続くのかはわからないが、「在宅」は世界共通のキーワードになっている。それを実感させるのが下に挙げた記事だ。

●バンクシーも「在宅勤務」、自宅に描いた作品披露(CNN)

このニュースはいろんなメディアで取り上げられていたが、ここでは写真が豊富でわかりやすいCNNによる記事を。

バンクシーと言えば、ロンドンを根城に活動する(と思われている)謎のストリート・アーティスト。世界中の都市の街角に現れては、壁などにゲリラ的作品を描いて去っていくことで有名だ。そんな彼もついに"在宅ワーク"なのか?

インスタグラムに投稿された写真には、自宅(と思しき)トイレに描かれたネズミたち。ネズミはもともとよく描く人だが、いまこれを出されると、どうしてもペストを連想してしまう。「家で仕事をすると妻が嫌がる」というバンクシーのコメントはこの作家らしく皮肉が効いている。


バンクシーのインスタグラムより

バンクシーでさえそうであるように、多くの人が「在宅勤務」である以上、そのことへの関心は高い。リモートワークのノウハウを語る記事は世間にあふれている。「今後どうなるか?」も気になるところだ。

試しに「コロナ後 働き方」でニュース検索してみたら、出るわ出るわ(※冒頭写真)。すさまじい記事数だ。直近記事の見出しをいくつか挙げてみるとーー

「働き方に変化があった人は2人に1人」
「コロナ禍で変わる働き方、東京のビジネスマンが淘汰されかねない」
「コロナ後、日本人の『生活』『住まい』『働き方』はここまで激変」
「新型コロナがもたらすニューノーマルに覚悟を」etc


なんだかすごいタイトルである。「淘汰」「激変」「覚悟」ーーモロに不安あおってる。ヘンにあおられるのも癪にさわるので、「もうちょっと冷静なものはないのか?」と思って色々調べてみたら、「日経産業新聞」でこんなのを見つけた。

●スタートアップに学ぶ働き方「ニューノーマル」(日経産業新聞)

4年前からネット上に"仮想オフィス"をつくって、約40人の社員がオンラインで働いてるシステム開発会社ほか数社に取材した記事だ。

地味な見出しである。内容も決してセンセーショナルでキャッチーなものではないが、リモートワークの現場を地道にコツコツ取材し、課題や解決のノウハウをコンパクトにまとめてくれている。

ZOOMなどのツールを使えば「手軽にできそう」な印象も与えるリモートワークだが、実はそんなこともないようだ。いま多くの人が感じていることだと思うが、人と人が直接会えないことによるフラストレーションは想像以上に大きく、インフラ面でもメンタル面でも、うまくやろうと思うと様々な投資や工夫、スタッフのラーニングや慣れも重要だ。

その意味で、以前からリモートを導入し、試行錯誤してきた会社のレポートは役に立つ。

「withコロナ時代」のはたらき方を


例えば、記事で紹介されるこのシステム会社では、「『報・連・相(報告・連絡・相談)』よりも『雑・相(雑談・相談)』を推奨」しているという。「雑・相環境が社員の安心感を生みチームワークを強める」というのがその理由で、雑談・相談がしやすい仕組みづくりにも力を注いでいるようだ。

リモート化することで「相手の気持ちが分かりにくくなる」「仕事の能率が落ちる」というのは、いま多くの企業で共通の課題らしく、"Stay Home"が長引けば長引くほど、そういったお悩みは増えていくだろう。

新型コロナ後の「ニューノーマル」が流行り言葉のようになっている。はたらき方だけでなく、政治・経済・文化など社会のすべての領域で、これまでの常識や考え方がまるで通用しなくなる世界だ。

もし、"知識人たち"が言うように、本当にそんな時代が来るのであれば、はたらく環境もきちんと"ニューノーマル対応"していく必要がありそうだ。仮想オフィスまでつくるかどうかは別として、にわかリモートではすぐ限界に達することがわかってきた。

ちなみにこの記事では、政治家らが好んで使う「コロナとの戦い」ではなく、「コロナとの共存」「withコロナ時代」のアングルから記事作成を進めているようだ。これからの働き方を考える上で、その視点はとても重要だと思う。

政治家らは「戦い」を叫んで満足かもしれないが、ふつうの人はコロナと"戦い"ながら仕事なんてできない。感染のリスクをできるだけ減らし、うまく"付き合い"ながら暮らしていく方法を模索するしかない。

これからの"オフライン"のはたらき方のほうがむしろ気になる


●ギャラリー:新型コロナ危機下でも働く、世界の「不可欠な」人々 写真32点(ナショナル・ジオグラフィック)

いま、はたらき方をテーマにした記事で言うと、どうしても「在宅勤務」「テレワーク」などオンライン系の話題がメインになる。しかし、いろんな記事を読み漁っているうちに、"オフライン"でのこれからのはたらき方がどうなるのか? のほうが個人的には気になってきた。

日本でも可能な限りの"Stay Home"を求められる2020年4月現在において、"オフライン・ワーク"の明るい未来をイメージすることは難しい。だが、"オフライン"の仕事があるからこそ世の中回ってるんだ、という当たり前のありがたさに気づくきっかけも増えている。

それを実感させてくれるのが、「ナショナル・ジオグラフィック」による上掲の記事だ。これは読み物ではなく写真特集である。内容はタイトルのまま。新型コロナのハードな状況下で、はたらく人々の写真が32点紹介されている。

医療従事者だけでなく、消毒の作業をする人、警備員、神父、小売スーパーの店長、棺メーカーのスタッフらーー暮らしと社会を支えるために"不可欠"な人々の姿と仕事をリアルに、力強く撮った写真にグッとくる。現状の厳しさも伝わってくる。

ほぼだれもいなくなったエッフェル塔の近くで、人々を励ますために詩を朗読している精神科医は、何を思いながらそこに立っているのだろう? フランスで下手にこれをやると高額な罰金を取られてしまうわけだが、この医師にとってこの行為も大切な仕事なのかもしれない。

言葉で唱える机上の理屈より、ときに写真は雄弁だ。彼らはコロナに勝ってはいないかもしれないが、決して負けてもいない。淡々と命がけではたらいている。

ロケ地はアメリカ、イタリア、フランス、ケニア、ロシア、カナダ、ブラジル、南アフリカなど。撮影は世界的に著名な写真家集団マグナム・フォトだ。

「はたらくってスゴいことなんだな」ーーここに掲載された写真を見ていると、自然とそう思えてくる。

河尻亨一(編集者)

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