お笑いコンビ「あわよくば」のファビアンさんが妄想の赴くままに書き綴る、仕事をテーマにしたショートショートシリーズ第3弾。仕事帰りの居酒屋などでお楽しみください(編集部)
第一志望の最終面接が終わった。
緊張していなかったと言えば嘘になる。椅子から立ち上がるとき、手のひらを開くと汗でびっしょりだった。そりゃそうだ、人生かかってるんだから。退室する際、ドアノブで手が滑ったのはさすがに恥ずかしかった。僕はヘラヘラと照れ笑いを浮かべ、そのまま一目散にビルから出た。深呼吸。多少の解放感はあったが、まだ心拍数は下がらない。体力のない僕はよろよろとビルの壁にもたれ、面接で貰った水をガブガブと飲んだ。
ふうーーー。
何とか落ち着いた。空を見ると、ひこうき雲が濃く伸びていた。合格していますように。休憩を終え、新橋の地下街へともぐった。受かっていたら飛んで喜ぶけれど、...
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