
1957年に創業された信和パーツ株式会社。「パーツフィーダー」と呼ばれる機械の設計製作・販売を手がけ、この分野の日本における草分けとして知られる老舗優良メーカーです。
「パーツフィーダー?」
その機械名を聞いてピンと来ない方も多いでしょう。しかし、別名「自動整列機」「部品供給装置」などと呼ばれることもあるこの機械、知れば知るほど奥深い有能マシーンなんです。
ご存知のように、ライン生産を導入する工場では、大量の部品・部材(ワーク)が使用されます。ネジやボルト類が代表的なものですが、これらが上を向いたり、横を向いたりとバラバラの状態で、次の工程の機械に運ばれてくるとどうでしょう?
効率が悪いですよね。人間が手で並べ直す必要がありますから。機械に供給するなら、送り出しのタイミングを一定間隔にキープする必要もあります。人力でそれを行うのは大変です。
こんなときに大活躍するのがパーツフィーダー。この装置を使えば、ボウルの振動とアタッチメントの誘導で大量の部品を一気に同じ方向・姿勢に整列させ、次工程の機械へスムースに供給することができるわけです。
百聞は一見にしかず。ここまで説明しても「?」な方は、信和パーツによる以下の動画をご覧ください(代表の高島田政紀さんも出演)。「すげえ!」って思うこと間違いなし。
信和パーツは代表を務める高島田政紀さんの祖父が創業しました。
終戦から10数年後の当時、パーツフィーダーはアメリカではすでに製造されていたそうですが、ほとんど日本では知られておらず、機械をつくるのに図面も型もありません。見本を参考に試行錯誤を重ねながら、見よう見まねでつくっていったそうです。
その精神はいまに受け継がれています。多くの工場において仕事は分業制で、ネジ留めならネジ留めのみ、塗装なら塗装のみと、パターン化された作業を繰り返すことが多いですが、信和パーツでは完成までのすべての製作プロセスを一人の社員でやり遂げます。
どうすれば依頼通りにパーツを供給できる機械がつくれるか? 作業は完成品をイメージするところから始まり、紙にスケッチを描き、板金を切り、ビスを打ち、溶接まで全部一人の力で。
まさに”職人の手仕事”です。
「(つくり方に)性格の違いが出ますよね」と高島田さん。「とりあえず、どんどん手を動かしながら仕上げていく人、ある程度の確信が持ててから作業に入る人などそれぞれなんです。現場からは『飽きない』という声をよく聞きます。一人で完成品までつくれるのは、充実感が得られますよね」
「図面なしの手づくり」だけに、進め方はその人の自由。もちろんそうやって働けるようになるまでには、最低3年のトレーニングが必要なんだとか。
ちなみに高島田さんくらいの上級者になると、「お客さんから品物が来ると、見た瞬間にやるべきことや課題がだいたい見えますね」とのお話でした。
入社3年目の古山さんにもインタビューしてみました。古山さんは前職では、車のコネクターの部品設計をされていたそうです。信和パーツに入社しての感想は?
「周囲の人のアドバイスを聞きながらも、自分で『どうつくるか?』を考えながらやれるのが楽しくて、やりがいもあります。任される仕事の難易度が上がっていくので、徐々にレベルが上がっていく感じもあって」
すべての製作プロセスに携わるスタイルとはいえ「一人でつくっているわけではないんです」と古山さん。
「自分だけで考えると難しいですよね。やっぱり周りの人に話を聞いて、アイデアをもらって。そうやってコミュニケーションをとりながら進めていくから、なんとか形になるんでしょう」
溶接などの技術を入社時に習得している必要はありません。しかし、ものづくりが好きなこと、完成形をイメージする力があること、そして周囲とコミュニケーションを取りながらポジティブ仕事を進められることが、信和パーツで充実して働くための条件と言えそうです。
AIやスーパーコンピューターなど自動化の技術が発達している現代においても、”一点もの”の機械であることに価値を持つパーツフィーダーのニーズは衰えていません。高島田さんはこう言います。
「本体や製作に用いる機械は進化していますが、うちでやっていることって基本的にはずっと変わらないんです。振動で部材を送って整列させる装置をつくっているという意味で。
20年前は『パーツフィーダーなんて、そのうちなくなっちゃうんじゃないの?』って言われてたんですよね。でも全然なくなる気配がないし、今後もなくならないんじゃないかと。なぜなら、これに替わるものはないですから。複雑な形状の部品に強くて、小ネジみたいなものだと1分間に1,000個整列させられるんです」
創業当時、信和パーツは他社工場の軒先を借りて始まった会社でしたが、着実に信頼と実績を積み重ねていき、いまは日本を超えてアジア圏での知名度も高まっています。
この会社に集まるのは「寝ても覚めても、ものづくりが好き」な人たち。勤務時間外に、作業の工程で出てしまった廃材を活用して、趣味の道具をつくってしまう人もいるそうです。
「溶接や切断、研磨などは実際の仕事でも必要な技術。その練習にもなりますから」と高島田さん。こうした”課外活動”は発想力のトレーニングにもなるのかもしれません。
初心者も応募可な今回のおためし転職。ものづくりの仕事に関心がある、あるいはその世界ですでに働いている人の中でーー
「図面化された工程の”1パーツ”のみを担当することにフラストレーションを感じている人」
「ピタゴラスイッチが好きで、ああいった”発明”をすることに生きがいを感じられそうな人」ーーは向いていそう。
おためし転職で、機械や製作の工程を見学して、実際に多少は手も動かしてもらい、「面白そう」「合いそう」と感じたならば、好きこそものの上手なれ。技術は後からでもついてくるでしょう。
募集する職種 | 製造スタッフ |
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こんな人と働きたい | ・イメージしたものが思い通りに動き、カタチとなった時に充実感や喜びを感じられる人 ・世の中にないものをつくり出すため、型にハマらず、積極的に自ら考えるのが好きな人 ・周囲の人たちとのコミュニケーションを通じて、積極的に仕事のヒントを探しだせる人 |
歓迎スキル | 自分で考えて行動する。図面の無い物を作るクリエイティブな仕事です。 |
応募後の流れ | (応募) → (面接) → (お試し転職) → (二次面接) → (採用) |
給与 | 無給 |
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おためし転職の内容 | ①パーツフィーダとは? ②パーツフィーダを知る(理解する) ③作業の1部をしながら技術を練習して覚える。 ④パーツフィーダ製作に必要な作業を色々と体験してみます。 ⑤疑問や質問がありましたらその都度説明します。 ⑥体験を振り返りどう思ったか?意見交換します。 |
おためし転職時の勤務地 |
東京都大田区久が原5-2-13 地図を表示 |
おためし転職期間 | 2日間(調整可能) |
採用形態 | 正社員 |
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基本給 | 月給24万円 |
手当 | 住宅手当(18,000)、特別手当(2,000)、交通費支給 |
賞与 | あり 年2回 |
試用期間 | あり(2週間) |
任せたい仕事 | パーツフィーダのアタッチメント製作・振動で進んでくる部品を固定した板で押したり穴に落としたりして姿勢を変えて、顧客に要求された姿勢に整列させるカラクリを考えて実際に製作する仕事です。 |
採用時の勤務地 |
東京都大田区久が原5-2-13 地図を表示 |
就業時間 | 8:30 ~ 17:15 |
時間外労働 | 超過時間は別途手当あり |
休日・その他制度 | 土日、祝日、夏季休暇(3日間)、年末年始休暇(29日〜4日) |
加入保険 | 雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険 |